聖書 詩編6編1~11節
エフェソの信徒への手紙2章1~10節
説教題 「祈りを聞く主」
「主よ、立ち帰り わたしの魂を助け出してください。あなたの慈しみにふさわしく わたしを救ってください。」(5)
病気は神の怒りによるもの、という考え方が背景にあることを頭に置きながらこの詩を読みますと、詩人が神に祈るのは畏れ多いことだったに違いないと思うのです。けれども「立ち帰ってください」と神に祈ります。こちらを振り向いてください、と言っているわけです。
そして、「あなたの慈しみにふさわしく 私を救ってください」と申します。神が慈しみ深いお方だと信じています。どんなにお怒りになろうとも、です。自分はあなたから目を離しませんので、あなたも私から目を逸らさないでください、と言いたいのではないでしょうか。ここに詩人の信仰が表れております。神が慈しみ深いお方だと知っていて、神だけに心を向けて祈っています。
「主はわたしの祈りを受け入れてくださる」(10)。祈っている間に、祈りが聞かれた、と思えることが生じたとしか思えません。神からの語りかけを聞いたのでありましょう。ですから即座に、祈りが聞かれた、と確信したわけです。こうして願ったとおり救われました。