聖書 詩編2編1~12節
マルコによる福音書1章9~11節
説教題 「王なるキリスト」
「主はわたしに告げられた。『お前はわたしの子 今日、わたしはお前を生んだ。』」(7)
イスラエルの王は「油注がれた方」(2)でした。王が即位する際、聖職者から油を注がれ、聖別されたことに由来します。油注がれた王は特別に聖霊の力を与えられ、地上における神の主権を代表する者とされました。
この詩の作者である王は王座に就いたとき、神から「お前は私の子 今日、私はお前を生んだ」と告げられました。神が王に対して「私の子」と言われたわけですから、王は神の子と見なされます。これで王と神とは子と父の関係です。父が持つものを子も持つようになりました。父のものは子のものです。神が世界に対して持っておられる権能は、神の子のものでもあるわけです。神は世界を治めておられますから、神の子も世界を治めます。
神は主イエスに「あなたは私の愛する子」(マルコ1:11)と言われました。詩編二編とほとんど同じです。マルコが詩編二編の言葉を引用したのは、この詩編の王に主イエスが表されている、と示されたためでした。神の子と宣言された主イエスは、神が持っておられる権能をお持ちです。主イエスはこの世界に立てられたキリストとして、王のごとく世界をご支配なさいます。