聖書 詩編130編1~8節
ローマの信徒への手紙8章1~8節
説教題 「主による罪の赦し」
「主よ、あなたが罪をすべて心に留められるなら 主よ、誰が耐ええましょう。 しかし、赦しはあなたのもとにあり 人はあなたを畏れ敬うのです」(3~4)
詩人は神による審きを恐れています。私たちの神が「私たちの罪をすべて心に留められる」とすれば、私たちは必ず審かれてしまいます。自分は罪人だ、と詩人は認めています。罪人だから神の御前に立つのを恐れますが、罪人だと知っていて神に呼びかけます。罪人ゆえの苦しみを神に救っていただきたいけれども、罪を神に見られたくない。信仰者は矛盾を内に抱えています。
「しかし、赦しがあなたのもとにあります」。神は赦しを持っておられます。神は赦しを与えることがおできになります。神は赦しそのものだと言ってもいいかもしれません。神に赦されるから、神の御前に立つことができます。神が持っておられるのは赦しなんです。神は畏れ敬われるために赦しを持っておられるのです。
それまで詩人は「深い淵の底」(1)であがくことしかできませんでしたが、神に赦されるのを頼りにするようになります。それまで深みで嘆いてきただけの時とは大きな違いです。赦しへの期待が生まれます。将来が開けて明るさが見えてきたときに、神を心から「畏れ敬う」ようになり神を賛美いたします。