聖書 イザヤ書43章1~4節
ヨハネによる福音書6章16~21節
説教題 「暗がりに立つ主」
「イエスは言われた。『わたしだ。恐れることはない。』」(20)。
「私だ」と、ひとこと告げるために、主キリストは湖の上を歩いて来られました。湖の上を歩かれるだけで、私たちにとっては十分奇跡なんですが、ヨハネは主キリストの奇跡を私たちに伝えたいわけではありません。暗がりの中にある者たちに、主キリストは奇跡的な手段を用いてでもお姿を現されるのです。暗がりの中にいる者たちを光で照らされます。「私だ」とおっしゃって、暗闇を押しのけられます。「私はここにいる」と、私たちに告げるために、主キリストは近づいて来られます。たとえ湖の上を歩いてでも、です。
強い風で荒れる湖の上を、平地を歩くようにして来られます。私たちがどんな試練の中にあっても、聞き取れるようになさいます。目や耳を塞がれたようになっていても、主キリストのお声は心に響いてきます。「私はここにいる」と、聞かせてくださいます。主キリストが近づいてくださるので、「光が暗がりの中で輝いている」(1:5)のを、私たちは見させられます。暗がりの中にいることで、光のまぶしさがよく感じられるのではないでしょうか。暗がりの中にある私たちに、ご自身が光としておられることをお示しになります。暗がりの中にあって、光はひときわ明るく輝いています。