聖書 詩編133編1~3節
テサロニケの信徒への手紙一 4章9~12節
説教題 「兄弟を愛す」
「兄弟愛については、あなたがたに書く必要はありません。あなたがた自身、互いに愛し合うように、神から教えられているからです」(9)
 教会における兄弟は、教会という家族の一員であります。パウロはエフェソの信徒への手紙で、教会を「神の家族」と申しまして、教会を一つの家族に喩えています。教会に集められた私たちは、神の家族の一員です。神が親であり、私たちは神の子どもと見なされました。
 人々の間で伝統的に使われてきた「家族」のイメージを、パウロは教会に重ね合わせて、教会員同士の関係とかあり方を伝えようとしたわけです。パウロが今日の箇所で言う兄弟愛も、神の家族におけるものです。暖かな家庭的な雰囲気というものを、兄弟愛という言葉から感じ取ってほしいと思っていたのではないでしょうか。
 こういうことを思いますとき、兄弟愛の基本にあるのは、教会は一つの家族であり、神が私たちの父であるということです。神によって子どもとされ、私たちは一緒に食卓に座って、食事をする間柄になりました。教会の家庭的な雰囲気の中で、共に御言葉の糧を分かち合ってきた兄弟が、私たちにはいます。